RoomClip 販促支援ラボ

「暮らし」のSNSだからできる、生活者ソーシャルリスニング 〜「お米」の投稿イベントから

「暮らし」のSNSだからできる、生活者ソーシャルリスニング 〜「お米」の投稿イベントから

ソーシャルリスニングというマーケティング手法も、ツールの差異はあれど今や企業のマーケターに定着した手法です。SNS上に投稿された声を拾って、ブランドや商品への共感、キャンペーン前後の評価、クチコミの分析をする際に主に活用されています。

ここでひとつ、突飛な質問。
「お米をしまう様子をインスタしたことありますか?」

ソーシャルリスニングに対してネックをあげるとすれば、あくまでユーザーがSNSにアウトプットした情報しか分析できず、あまりに日常的、もしくは「映え」なさすぎて、日常、意識すら向けられないようなトピックには不得手な点です。日常のポジティブ・もしくは逆に際立ってネガティブな部分にスポットライトが当たりやすいのはいま一般のソーシャルメディア(SNS)の使われ方であることは共通認識と思います。よほどのこだわりがなければお米の保存場所が脚光を浴びることはないでしょう。

特化型のソーシャルメディアはその使われ方も特化する

写真を投稿できるソーシャルメディアは、InstagramやTwitterなど、思いつくだけでも無数のサービスがありますが、RoomClipはその被写体を「お部屋」に特化し、みんなの住まいや暮らしの様子のシェアをテーマにしたサービスであることが特長です。事実、AppStoreアプリでも「模様替えしよう」といったメッセージとともにピックアップいただくことがあります(↓下図)。
(先日はテレビで「人の部屋の家具が買えるアプリ」としてもおすすめいただきました)

そのため、お部屋に関してどこよりも目当ての写真を見つけやすかったり、話題にしてもらいやすくする工夫が多く設けられています。

ユーザーが注目しなかった部分にもスポットを当てる「投稿イベント」

それらの工夫のひとつとして今回取り上げるのが「投稿イベント」です。RoomClipのコミュニティチームがテーマを投げかけ、それに沿った投稿をユーザーがするもので、常時多様なテーマで開催されています(最近は15件前後が毎月開催)。 旬の話題や、もしくはユーザーも日常気にしないような住まいの様々な場所やシーンに視線を向けてもらい、投稿やおしゃべりを誘うきっかけとして楽しんでもらっています。

いくつかピックアップすると、例えばこんな投稿イベントが開催されています。

一般のソーシャルメディアは通常、サービスの運営側から定期的に投稿を促すことはありません。しかしRoomClipは生活者としての住まい・暮らし領域のあらゆる話題を集める特化型のメディアだからこそ、あえて運営がユーザーに対話的に向き合うことも積極的に行なっています。

「お米、どうしまってる?」

多様な投稿イベントが日々開催される中、7月に開催されたのが「教えて!お米、どんな風に保存してる?」。お米自体、日の当たらない場所に置いている方がほとんどと存じますが、これまたソーシャルメディアの投稿においても日の目を見なさそうなテーマです。

このイベントには、結果として400枚近くの写真=生活者のリアルな実例サンプルが集まりました。RoomClipを「暮らしのビッグデータ」と称することもある中、そう呼ぶには少量かもしれませんが、それでもお米の置き場所ひとつにそれだけサンプルが集まったのは、家の中を覗いて回りたいマーケターや開発者など業界の方目線で見ても興味深いといえるかもしれません。

知らなかった誰かの常識に出会う

さて、実際に集まった写真の内容を見てみましょう。一定の目線で分析を加えてみると、ここまでの能書き以上に、たくさんの発見があります。

いわゆる「米びつ」にしまわない

例えばお米をしまう容器。私は新生活を始めた時、はホームセンターに 「米びつ」を買いに行き、今でもそれを使っています。
棚にはプラスチック製の専用容器ばかりが並んでいて、大多数がそこから選ばれているものと考えていました。が、実際の投稿を分析すると、いわゆるプラスチック容器が1位ですがタッパーまで含めてようやく30%未満といったところ。住まいによって素材は様々であり、硬い容器ではない、ジッパーやビニールバッグを活用した例などいずれも少数派ではありません。

↓期間中で最もいいねされた写真。米袋ごと入る専用のプラスチック容器。いわゆるプラの米びつも、アイデアの加わったものが多かった。

撮影:flannel. さん

冷蔵庫という選択肢

また、容器から一歩目線を引いて、置き場所を見てみると、「冷蔵庫」という選択肢が一定数いることに気がつきます。こちらは恥ずかしながら、私のこれまでの視界に一切入ってこなかった選択肢でした。約2割の生活者が、何らかの方法でお米を冷やして保存しています。

↓期間中で最も保存された写真。フリーザーバッグに決まった合数で小分けし、野菜室に保管されるそう。

撮影:sally さん

「冷温保存」のニーズは数値以上

なぜ冷やす必要があるの?写真だけでなくコメントまで読み込むと、現在常温保存されている方も、冷温にすべきと思いつつもやむを得ずそのままという方が見つかります。美味しく長期保存できる期間や防虫等の観点から冷温にメリットがあるということです。
美味しさや衛生の観点を知れば、私も腑に落ちました。つまり冷温保存はニーズでいえば現状以上のユーザー層があります。また、こういった発見が新たな選択肢を私のような誰かにインプットする可能性も垣間見えます。

↓「(コメント抜粋)お米の保存について調べたところ、貯蔵開始と比較して食味が低下して味に差が出るのが25℃で2カ月、20℃で3カ月、15℃で5カ月、5℃で7カ月。虫は20℃から発生・繁殖しはじめるとのこと…」

撮影:riko さん

RoomClipだからできる、生活者へのソーシャルリスニング

投稿イベントを通して、一般のソーシャルリスニングだけでは得られない生活者のインサイトを発見するケースがあります。お米に限らず、暮らしにおいては、ユーザーがこれまでオンラインで話題にしなかった事柄は無限にあるはずで、住まいのソーシャルメディアであるRoomClipは、生活者とともにその発見をお手伝いできればと考えています。
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この記事を書いた人:RoomClip PR室

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